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ティンハイム

¥82,500¥93,500 (税込)

ティンハイムはキャンプ愛好者、週末戦士、そしてバックパッカーのために設計されており、3シーズンの冒険を存分に楽しみたい方に向けたシェルターです。居住性が高く、耐久性があり、悪天候にも対応できるように準備されています。

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PRODUCTS IMPRESSION from 村石太郎

Backcountry Researchより

2024年、春夏シーズンに日本展開が始まるMSR「ティンハイム2」、「ティンハイム3」。耐候性に優れた素材やポール・システムなど、厳しい自然のなかで使うことを考慮した3シーズン・テントがラインナップに加わった。

北アラスカの原野で過ごすための住処

 あの日は、友人とふたり、パックラフトでアラスカの北極圏を流れる原始河川での川下りをしているときだった。氷河から溶け出した大河が流れるウィルダネス・エリアであり、周囲ではハイイロクマやタイリクオオカミといった野生獣が、産卵のため遡上してきたサケの群れを求めて闊歩していた。

 その日のキャンプ地を決めて、川岸へと上陸する。背後に迫る峡谷から雷雲が轟きはじめ、生暖かい強風が吹きだした。次第に砂嵐が舞いはじめ、僕たちは大雨の急襲を避けようとテントの中へと逃げ込んだ。室内で耳を欹てていると、遠くから甲高い蹄の打撃音が近づいてきて、数十匹のカリブーの群れがやってきた。ちょっとでも不審な音がすると、幾度となくメッシュパネル越しに室外を覗いて危険を回避しようと努めた。

 無人の原野において、2枚の薄いナイロン生地で作られた移動式タイニーハウスほど安心感を得られる場所はない。野生動物の鋭い鉤爪でひっかかれれば簡単に破れてしまうけれども、風雨や砂埃を防ぎ、寒さを和らげ、狭い空間だからこそ心の平穏が満たされるのである。

 アラスカから日本への帰国後は、飼い犬と一緒に優しい自然のなかへと踏み入ることが最大の喜びとなる。寝袋に包まれてウトウトと眠りにつくと、足元では寝息を立てている彼女の体温を感じる。ウィルダネスでの生活は、なんてことのない、そんな時間を一番の幸せと感じさせてくれる特効薬なのである。

ウィルダネスで使う道具に求めるもの

 ウィルダネスでの住処となるテントにおいて、最重要視しているのは堅牢性である。「ティンハイム」においては、生地の厚み、ポールの太さ、構造の確かさ、利用できるガイライン(引き綱)の数といった要素から抜群の安心感を得る。

 悪天候下でも確実に換気を促すことができるように配置された、前室側と後部側に備わるベンチレーションも嬉しい機能だ。前室の床面を覆うフットプリントの存在は、濡れたままのPFDやウォーターサンダルが置けるなど、小さなストレスを軽減してくれる。さらには飼い犬の足を拭くときにも便利だ!

 レインフライとインナーテントが接続されているため、素早く設営ができることもありがたい。雨雲が近づいて来たことを察知して、急いで設営をすませて荷物を乾いたままテントの中へと待避させることができる。高緯度地方にあたるアラスカでは、1週間近くも雨が降り続くこともある。そうした日々が続いた朝は、インナーテントを最初に撤収して、乾いたままでパッキングすることができる。「ティンハイム」はウィルダネスでも、湿潤な気候の日本でも、快適なテント生活を過ごすことができるのだ。

詳細

ベンチレーション:悪天候下でも、効果的な換気が可能だ。室内から天候状況を確認できるほか、アラスカでは野生熊の到来の確認にも役立つ。

フットプリント:前室部の床面を覆うグランドシート。泥汚れや濡れているバックパックやPFDなどを置くためにありがたい。

ランドリーライン:室内天頂部にはLEDランタンやタオルのほか、濡れたソックスや下着などを吊り下げて乾かすことができるガイラインが引かれている。

小物入れポケット:ヘッドランプやスマートフォンなど、大切な道具を収納しておくためのスリーブポケットが装備される。

ダブルパネル:ジッパーの開閉によって外気を取り込み
たいときはメッシュパネル、室内のあたたかな空気を逃したくないときはリップストップ・ナイロンのパネルにできる。

広い室内:トンネル型テントは軽量で耐風性に優れているが、室内空間を広くできるという利点もある。

フロアレス仕様:雨天時には、最初にインナーテントを
たたむことで乾いたまま収納できる。インナーテントを自宅においてくれば装備の軽量化にもつながる。

室内ベンチレーション:気温が高いとき、湿気が気になるとき、出入り口側のベンチレーターとの相乗効果で換気を促す。

吊下げ式インナーテント:着脱式トグルを使ってレインフライに接続されているため、素早い設営と撤収が可能だ。

収納状態:最小重量2.48㎏と最軽量ではないけれど、
天井が高く感じ、2人が就寝しても充分な広さがある居住性、高い耐候性を考えると納得できる重さであろう。


村石太郎(むらいしたろう)

1970年、東京生まれのフリーランスライター。アウトドア道具に精通し、とくに用品やブランド、登山道の歴史についての執筆が豊富である。四半世紀にわたって、アラスカの北極圏に広がる無人地帯のブルックス山脈でカヤックやパックラフト、徒歩での冒険旅行を続けている。

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